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のこぎり莫迦につき危険なり取り扱い注意
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過去ログ SAW HAPPY DAY   [ アメリカ決戦2004より ]    
見事グランプリを獲得したHAJIさんの模範演奏がメインステージで始まった。
例のアメイジング(!)ヴァイオリン奏法も披露。
ギャラリー大喜び。
本人もとても気持ちよさそうに演奏している。

呆然としたままの筆者に審査委員デビットワイズ氏がやってきてなにやら「はやく食べてしまえ」らしきことを言っている。
え?のこぎりも持ってこいって?

HAJIさんの演奏が終わると今回のコンテストに出場した全員が舞台に呼び戻された。

世界中からすばらしい仲間が集まった。
みんなで何か演奏しようじゃないか。

いいね、いいね。
イスもってこーい。
足りない人は舞台端に腰掛けてね。
落っこちちゃダメだよ。

ガイさんが手風琴を持ち出した。
これに合わせて演奏しようだって。
おー。
ところで何て曲?
は?しらんでそんなタイトル。
でもアメリカでは有名な曲かな・・・・って他の誰も知らんやんか(笑)なんやそれ、却下や。

デビットワイズが何か引き始めたけれどこの曲も知らない・・・けれど適当にあわせる。
この曲も全員知らないじゃんか(爆笑)
うわあ、いいかげんな音程。
皆バラバラ。
いいのかこれで。

これでいいらしい。
ゆるいなあ。
緊張感まるで無し。


てなことで。
いろいろありましたがいよいよ我々”SAWHAPPY”の出番がやってまいりました。
コンテストとは別の緊張感がやってきます。

みんな半被は着た?
のこぎり持った?
さあ、出撃だ。

♪じゃんじゃーかじゃーん じゃかじゃかじゃー・・・

わー
わー
いえーい

賑やかな入場行進曲も屋外なので音が散ってよく聞こえない。
「そー はっぴー!!!」
と段取りどおり叫んでみたけれど客席に届いた?声。

・・・・すべった、かも。

気をとりなおせ、行くぞ皆。
おー。

「ソード ダンス」
剣の舞だ。
日本から持っていったカラオケがテンポよく鳴り始める。

ちゃちゃちゃちゃちゃ
ちゃらららっちゃ ちゃららっちゃ
とハイテンポでメインラインをHAJIさんがひいているところへ
ひゅるるるーん
ひゅるるるーん
とナンデモさん意外の残りメンバーが音をかぶせてゆく
つーつーらー
つらーらー
テルミンも追いかけてくる。

客席は静まりかえっている。

ええと、みなさんノッテマスカー?

つづいてパッヘルベルの「カノン」
ひとり、ひとりと音が重なって美しいハーモニーが。
おお、私達もしかして本番に強いかも。
イケテルのでは・・・そのわりに客席静かだな。
不安になってきた。

観客の反応の薄さにしびれを切らせていたのは筆者だけではなかったようだ。
最終の曲「ブラジル」になったときにHAJIさんが突如演奏を放棄してのこぎりを掲げて踊りだした。
がびーん!!!!
筆者の左肩ごしにR2さんとナンデモさんが信じられないものを見る表情で固まっている。
だってこの曲はHAJI、R2、ナンデモの3名がハモリながらメロディを担当して筆者とまいどちゃんがマレットでベース音をのせ、たらすなさんがノコのギザを針金で擦ってギロのようにリズムを取るという大変御陽気なナンバーであって・・・。
うわああああ。

「みな、歌え!」

HAJIさんが叫ぶ。
歌うよ歌えばいいんでしょー。
やけくそでラララララーとメロをがなる。
あ、たらすなさんが舞台を飛び降りた。
すっちゃかちゃちゃとノコをかき鳴らしながら客席に愛想を振りまいている。
なに観客と握手してんねん君は。
サ○エさんのオープニングアニメの白猫のように、のこぎりを頭上にかかげて腰をふりふり踊るHAJIさんの後姿は正に「蹴りたい背中」

演奏終わってげっそりと消耗して舞台から降りる”SAWHAPPY”

終わった。
燃え尽きたよ。
真っ白だ。

これは失敗かとしょんぼりしながらノコを片付けていると、ちらりほらりと人がやって来た。

「ソードダンス、すばらしい」

「すてきねカノン」

「アメイジング!」

「ワンダフル」

「ねえ、”SAWHAPPY”はCD作っていないの?」

「アンサンブルって初めて聞いた、おどろいたよ」

え?
え??
ええっ???

先刻のあれはもしかして、めちゃくちゃ真剣に聞いてくれていたってことなわけ?

ぷひゅー。
安堵して気が抜けたよ。
ありがたいなあ。
東の果てからやってきたこんな変な奴らのことをこんなに歓迎してくれるなんてさ。


本日数度目の呆然をかみ締めていると筆者の所に”鼻の上にナンデモノッケチャウ”トーマスがやって来た。
手にオレンジジュースの大きな壜を携えて。
「ドーゾ、アリガト」
くれるの?私に?

トーマスは筆者の手に壜をのせると、その大きな手で頭を「いいこ いいこ」して合掌、「ありがたや~」という感じで拝んでくれた。
私はお地蔵さんですか(笑)
笑い転げる筆者にトーマスは例の鼻の頭に何でも載せるパフォーマンスもみせてくれた。
バナナやノコをひょいと掲げる。
写真を撮ったり拍手をしたり。

「アンタはきっといい演奏するって思ってたよ」
仲良くなったジプシーの女の人に両手を握られた。
ありがとう、応援してくれてありがとう。

ほんとうに
ほんとうに
ありがとう みんな。

柄にもなくなんだか泣きそうになっていた。

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主筆者紹介
HN:
いちもんぢ らく乃
HP:
性別:
女性
職業:
危険物楽器扱業
自己紹介:
見たまま怪しい奴
ではありますが
無害です



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