ふははははは。
諸君。
ノコギリ音楽講座の実践編がはじまるぞォ。
さて首尾よく西洋のこぎりを入手したキミ。
ひとまずおめでとう。
のこぎりで音楽を演奏するためには他に
ヴァイオリンや胡弓の弓
または
マリンバのマレット(木琴のばち)
などが必要だ。
今回はマレットを使用した音の出し方をレクチャーするぞ。
準備はいいかな?
まずイスに浅く腰をかけ
両膝の間にノコギリの柄をはさむ。
そして右利きの人は左手で、左利きの人は右手でノコの先端をつまみそのまま膝方向に曲げる。
空いた手でバチを持ち思い切りよく叩いてみよう。
がつん!
ぷ。
くつくつくつ。
ふへふへふへ。
鳴らないでしょ?
きれいに「ぽよ~ん」って音が出ないでしょ?
やーい、ひっかかったー。
実はノコの曲げ方に秘密があるのだ。
単にまげるのではなく、ノコの先端をつまんだ親指を支点にして
くいっ
とS字形のカーブを描くように、しならせながら曲げるのである。
そしてSの字のちょうど真ん中あたりをアタックするのである。
そうしないと綺麗な音は出ない。
え、そんな大事な事は先に言えって?
ノン ノン ノン モナムー。
これ、基本、お約束。
一番肝心要なところ。
ノコとお友達になるための大切なステップ。
一度これを体感することでノコギリがタダの金物から楽器へと変貌する瞬間にあなたは立ち会うことができるのである。
さあ、気を取り直して。
ノコを構えて。
しならせながら曲げて。
S字の中心点を、叩く!
ぽよーん
はい、よくできました。
もっと、曲げる角度を急にしてみよう。
きゅおーん
高い音。
曲げる角度を緩くすると
ぼにょーん
低い音。
叩くポイントも曲げ方を急にするときは先端部分に近くなり、緩くするときは柄の方に近くなります。
さあ、思う存分叩いてくれたまえ。
ぽーん
ぴょーん
ぼーん
びょーん
気分がのってきたね。
ではここでさらなる秘密を公開しよう。
ノコを叩くと同時に右利きの人は右足、左利きの人は左足だけを使って「びんぼうゆすり」をかけてみよう。
ちょっと難しいけどできるかな?
さん、はい!
ひゅるどろ~ん
やった!
出ましたお化けの音。
これこれ。
これが出したかったでしょ?
これが聞きたかったでしょ?
はい 今日の講座はここまで。
何だか物足りない気分だろうがここまで。
何故なら初心者はここで調子にのって怪我をするからである。
うそじゃないぞ。
脅しじゃないぞ。
よく考えてみよう。
モノは真っ平らな鉄板鉄板だ。
これを無理やり指で曲げているのである。
親指、痛くない?
痛いでしょ?
無理に練習を続けると脱臼したり骨にヒビがはいったり、バチンと跳ね上がったはずみで刃の部分で腕や顔をザックリいっちゃったりするのである。
本当の話。
だから練習は体に負担をかけない程度にとどめておくこと。
指が痛くなったら休ませること。
これ、大切。
肝に銘じておくように。
お。
最後真面目な話になったかな。
では今日はお終い。
PR