過去ログフェスティバル当日・大波乱 [ アメリカ決戦2004より ]
一夜明けて。
昨晩のうちに我らが勇者様ことHAJIさんも到着したらしい。
やっとご一行さま集結である。
部屋をノックする音に、おはようございますと対応しに出ると、なにやら疲れきった表情のHAJIさん。
開口一番に出た言葉は
「雀さん・・・のこぎり貸して・・・・・」
一体何事ぞ?
HAJIさん、アメリカ行きの飛行機はバンクーバー経由。
信じられない事だが、乗り換えのとき航空会社がのこぎりだけ積み損なっちゃったというのである。
本人だけアメリカに着いても楽器がないとどうすんのさ。
こんなことがないようにミュージシャンは楽器だけは手放さずに持ち歩くものなんだけれど、あう・・・・。
特殊楽器で凶器な形状のサダメとはいえ、あまりといえばあんまりな。
のこぎりは次の便で届けてもらえるって言ったって、コンテスト、今日じゃんかよう(泣)
呆然としている場合じゃない、なんとか今の状態から抜け出さなくてはとHAJIさん、他のメンバーから借りれるものを物色しにやってきたのである。
幸い雀、R2、まいど、筆者の4名は「ミュッセル&ウエストファル社26インチモデル」というHAJIさん御用達のこぎりを所持していたので誰かに借りればコンテストだけはなんとか切り抜けられるし、最悪のばあいコンテスト会場で新品を買ってしまえと居直る余裕もでているようだ。
しかしそこに考え付くまでに相当葛藤があったらしく、HAJIさんの笑い顔に元気がない。
付き合って夜明かししたらしいナンデモさんとたらすなさんの眼の下にも薄っすら隈がういている。
慌ててノコを例の白木ケースから取出す雀さん。
ケースの話もそこそこに早速弾き具合を確かめるHAJIさん。
「あれ、これ俺のサインはいっているやんか」
東海支部発足の折にプレゼントしたイワクつきの品である。
しかも
「『がんばれ』やって」
まさか過去の自分から励まされるとは。
筆者たちも何も言えなかった。
とにかく、のこぎりの手配がついて気が緩んだらしい
「味噌汁飲みたい、漬物食べたい、梅干欲しい~」
と駄々を捏ね始めるHAJIさん。
アンタ子供ですか。
っていうか、ぎりぎりまで日本に居たやんか。
筆者提供カリカリ梅を立て続けに3個ほど貪り食らい、幸せそうにカラ袋の匂いを嗅いでいるさまはまるで
のようだったが、口には出さずにいておいた。
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