過去ログ旅は道連れ道ハズレ [ アメリカ決戦2004 より]
ようやっとモーテルへ到着。
さらにチェックイン時に言葉の壁にぶつかる。
すっかり乗り物酔いでグロッキーな筆者は進んで荷物番に。
あう・・・・・。
遠かった。
お前が言うなというツッコミもなく全員へれへれとお部屋へ。
このモーテルで東京からおぢさん3名と名古屋からおネーさん1名が合流予定なのだが、とんと姿は見えず。
おっちゃんはともかくおネーさんとはしばらくのあいだ同じ部屋に泊まることになっているので、ちょい不安。
人見知り激しいからなあ。
（嘘つくな）
コンコンと軽やかなノックとともに
彼女達はやってきた。
「どーもー！雀（源氏名）でえええええええええす」
「うっわー何だこのハイテンション女は」
ドアの前で狼狽するＲ２さんに名古屋嬢は
「ちえーい、パンチだー！」
「なんの、クロスカウンター！」
「レフェリー」
「ワン・ツー・スリー！カンカンカン」
「アイム・ウイナー」
勝利のポーズ。
「待て待て、勝ったのはアタシ」
「いえいえアタシ」
「・・・・あの、本当に名古屋からいらっしゃった方ですか？難波あたりにお住まいではなく」
「ノリ、良すぎ」
「えー？普通ですよ」
いやふつう違いますよ雀さん。
挨拶もそこそこに、初対面でクロスカウンターですか。
後に控えているおっちゃん壱号、弐号、参号もクセのありそうな雰囲気が。
「やっ、どーも」
「ど・・・どうも」
大阪勢旗色悪し。
にわかにパーテイは大人数になって・・・・・だいじょうぶかヲイ。
荷物をほどきながら雀さんに空港でどんだけ苦労したかを話してみると、名古屋空港は何もややこしいこといわれなかったそうだ。
あっさり通過。
空港が違うといいのか？
「私の人格がよかったの」
「なんじゃそりゃどういう意味や」
さすがにのこぎりは荷物として預けたのだが、入れてきたそのケースがすごかった。
雀さん、工作がずいぶん得意らしい。
どん、とベッドの上にそれは置かれた。
白木の棺おけ・・・。
「棺おけじゃないですよう、のこケースです」
棺おけだって、どう見ても。
きれいな台形の箱。
ふたを開けると中はコルク貼り。
鎮座ましますのこぎり。
ゴージャス棺おけ。
「違うって」
さらにのこぎりを奏でる弓も見せてもらった。
クールだ。
幅2センチ長さ60センチぐらいの鉄の板に切り込みを入れて、釣り糸を張ってある。
「のこぎりが鉄だから弓も鉄がいいかなと思って」
うん、ナイス、かっこいいぞ。
名古屋支部の愉快な実態などの話をしながら雀さんはノコをケースから出した。
あれ？サイン入っているじゃん。
見せて見せて。
おやおやこれは・・・・。
『のこぎり演奏がんばれ/HAJI』
ぷっ。
HAJIさんのサインだ。
「雀さん、これ、HAJIさんに書いてもらったん？」
「ああこれはね、最初は私の物じゃなかったんですよ。
東海支部発足したときに、ノコを持っていない初心者が練習するためのもので」
前東海支部長のMさんの所有物だったとのこと。
あれ？
Mさんてついこのまえ天国へ逝ってしまったテルミン奏者のMさん？
「そうなんです。
生前、お元気な時にね『これは雀ちゃんが持っていたほうがいいよ』って下さったんです」
・・・・そうか。
アメリカにMさんも一緒にきたんやね。
心強いね、雀さん。
「つーか、プレッシャーですよ。個人エントリーするんじゃなかった、ははは」
「HAJIさんのサインもついてるし最強やね」
「でも、私の物になるまで散々初心者にボコにされてたから、音が歪んじゃって」
やっと最近落ち着いてきたとのこと。
「はやく全員そろわないかな」
「たのしみやね」
でもコンテストまではまだ日があるけれど。
明日は猛特訓・・・かな？
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