過去ログ [ アメリカ決戦2004 より]
**出発までの長い前振り**
そもそもの発端はHAJIさんに○年まえのアメリカ旅行のヴィデオをみせてもらったことから始まる。
「うわーのどかなところですねー」
「なんじゃ?このおっちゃんは?」
「きゃー、みてみてこの人すごいよ」
「あ、ほんとだ」
「ね、汽車の音きこえない?」
「聞こえる・・つーか走ってるよ汽車」
「ねえ、ねえHAJIさん今度アメリカに行くときは私達も誘てくださいよ」
「あーわたしも行く~~」
「俺も行きてー」
口々に話す私達のこぎり音楽愛好家にHAJIさんは
「そうやな~久々に行きたいな~。
コンテストもあるしな~」
と、にこにこ。
そのときはそれで終わっていたので私は半分その話を忘れていた。
それが今年(2004年)になってのこぎり音楽奏者の連絡網から
「HAJIさん、今年アメリカに行くらしいで」
「なんでも世界選手権にエントリーしたとか」
「一緒に行く人募ってるよ」
「私も行こうかなー」
との話が舞い込んできた。
わたしは
「そうやなー、面白そうやな。
その話に一口のせてもらおうかな」
と、ごく軽い気持ちで返事をだした。
それが悪夢への前奏曲とは気づかないままに・・・・。
「てなわけでやな」
と、これ以上もなく真面目なHAJIさん。
「なんでもかんでも出だしが肝心やねん。ここでコケルとあとがメタメタになるねん。」
「けど・・・」
「文句いうてる間にも一回練習できる。さゆちゃん、CDの頭だし頼む。」
「えーまだ練習すんですかー。」
「あたりまえや、ほら。」
我らがバンドマスターHAJIさんは練習の鬼である。
『どうせアメリカいくなら我々もコンテストにエントリーしよう。』
『それから団体で行くから何かアンサンブルも披露しよう。』
こうなるであろうことは筆者も予測はしていた。
らく乃本人も個人エントリーもやる気まんまんである。
(
注:まだ習い始めて一年そこそこの音痴の分際でよくもまあ・・・・無謀な)
気の毒なのは まいどちゃん。
『遊びにいくだけ』ときかされていたから参加したようなものだったのに、後から後からやらなきゃいけないことを言われてアップアップ。
とくにアンサンブルはアメリカ選抜隊(笑)のメンバーが集まらなきゃ意味が無いので、仕事が終わるとスタジオ(がわりに使っているR2さんのオフィス)に集合して短期集中特訓コースをうけることがこのときの我々の使命であった。
で。
その内容というのが・・・・・・・
「ミュージック、スタート!」
♪じゃん じゃーか じゃーん
じゃかじゃか じゃんじゃかじゃーん
んじゃーじゃ じゃかじゃかたかた・・・・・・・
「わーわー(←棒読み)」
「きゃーきゃー(←同じく棒読み)」
「へーい(←以下同文)」
「アカーン、皆表情が硬い!やり直し」
またダメ出しがでた。
かなり厳しい。
「らく乃ちゃん右足から出てたで」
「もう たらすなさん、細かい!」
「いや、これは大切なことや。みな、ターンするときは右足軸やで」
「ええ、ターンもするんですか」
「ナンデモさん話きいてました?」
「せやかてR2さん」
「も、師匠ノリノリやから誰にもとめられませんて。」
「うん、まいどちゃんの言うとおり。あきらめて付き合おう。」
「よっしゃ、頭からやりなおし。」
皆はぞろぞろと部屋の隅にかたまった。
何の練習をしているのかと問われれば「入場行進」なのである。
あ、笑ったな君。
こっちは大真面目なんだぞ。
まあ、のこぎりアンサンブルもふざけているようなものだが、曲の練習をさておいて入場行進の練習。
夜中にいい大人が集まってすることだろうか。
・・・・・・・まあこれ以上ないぐらい平和な光景だけれど。
♪じゃんじゃーかじゃーん
音楽に合わせて
HAJIさん
筆者
たらすなさん
まいどちゃん
R2さん
ナンデモさん
が、足並み揃えてぞろぞろと部屋の中央へと出てゆく。
観客(がいるであろう方向の壁)にむかってにこやかに手をふりながら。
アメリカのみなさーん。
アホが雁首そろえてそちらに行きますまっててくださいねー。
それぞれがバミッて(立ち位置に印をつけて)あるとこにきたら一斉ターン!
「「「「「「うぃー あー はっぴー そー はっぴー!」」」」」」
これが〔HAJI&SAWHAPPY〕の出発であった。
続く
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