これは2005年の話。
その年の5月のイヴェントに出演するため、われらが「関西のこぎりオーケストラ」は練習中でありました。
しかし、今回は昨年の(吹田の音楽祭)とは違ってアバンギャルドなイヴェントの一環での出演なので練習する曲も演奏方法も「なんだかなー」な方向へつきすすんでいて・・・
「でな、今回はもっとゆるーく、オッシャレーで、トランスな方向でいきたいわけよ。」
とわれらがバンドマスターS(いまさら匿名にするのもなんだかなあ)支部長。
音楽祭では「ノリノリ大所帯バンド風」だったアレンジを変えたいとかなり頭を使っております。
「重低音欲しいねん。」
どこで調達してきたのか厚い木の板を数枚メンバーに配るS支部長。
板を床に置いてその上にのこぎりのもち手を打ちつけると
ドウン!と音が。
どんどん がん!
どんどん がん!
「うぃーうぃる うぃーうぃる ろっちゅー♪」(やると思った)
衝撃で練習場の床がびりびり揺れます。
確実に近所迷惑な新しい(のか?)演奏法が導入されました。
刃のほうを手でつかむので危ないです。
体力つかいます、しんどいです。
わざわざのこぎりを使わなくてもよさそうなものですが・・・・。
ツッコム勇気ありません。
「ヴォーカルいれよか。誰かハイトーンで薄っ気味悪いコーラス・・・らく乃ちゃん歌って。」
ヲゐ、わしかい!
怪鳥のような声で苦労して歌ってみましたが
「ノコの音と似た音なので没。」
そりゃそうだ。
のこぎりの音色を説明するとき必ず引き合いに出されるものなんだから、「女性の歌声」は。
没でよかったよ。
「これええ音するんやけどな・・・。」
うれしそうに海苔の空き缶をぽこぽこ叩くS支部長。
某アコーデオンユニットのパーカッショニスト嬢が他のメンバー全員の無言の推薦により渋々演奏担当に。(合掌)
「カホンみたいな感じでやって。」
「そんなん無理です(泣」
手がとても痛そうです。
「ほんでな、これ、むっちゃええねんけど誰かやれへん?」
左手に握ったマリンバの撥(マレット)にホームセンターで買ってきた和ノコを水平に叩きつけて
ぺにょ~
べよよ~
ぱひょん
と、見るのも聞くのも脱力する動作をくりかえすのはやはりS支部長。
ぶっ。
ぶははははははははははははははははははは。
もう勘弁してクレー。
腹をかかえて笑い転げるオーケストラの面々。
紆余曲折ののち、某テルミン奏者の手に委ねられました。
がんばってください。
かなり重要なポストです。
おいしいです。
ちょっとうらやましいかも。
(注
:そして彼はライヴ当日熱演のあまりマレットは叩き折るわ流血するわと大変なことになってました。プロや、プロの仕事や・・・)
メロ・ベース・ギロのパートも大幅改定。
練習に集まるたびにアレンジが変わるので筆者は家で練習するのをやめました。
(こらー!!!)
ちなみにこの日の練習ではスローテンポで
♪ごん ごごん ごん ごごん
♪ん ぼーん ん ぽこ ん ぼーん ん ぽこ
♪しょこじょじゃしょこじょじゃしょこじょじゃしょこじょじゃ
♪ぽぽぽこ すぽぽこ ぽぽこぽ こぽかぽ
♪ぺこ~ べろ~ ばよん!
どれが何のパートだか当ててください。
で、かんじんの主旋律部隊はというと。
「ほんならメロデイいくで~わん・つー・わーん・つー・すりー・ふぉーはい!」
『カウント多すぎるんじゃああああああああああ!』
『どこで入ったらいいかわからへんわあああああ!』
・・・・・・・・・・・・・・。
のこぎりオーケストラの明日はどっちにあるんでしょうね。
(注
:そして2007年現在もノリはほぼ変わってません。ええトコロです実に)
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