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のこぎり莫迦につき危険なり取り扱い注意
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大阪市は毎年、大阪に縁の有る若き芸術家達に「咲くやこの花賞」を授与しています。
2006年度の受賞者は以下のとおり(敬称略)
・雨森 信(インデイペンデントキュレーター)
・晴 雅彦(オペラ)
・千日前青空ダンス倶楽部(舞踏)
・坂東 薪車(歌舞伎)
・桂 吉弥(落語)
大阪の文化を背負って活躍する皆様、受賞おめでとうございます。

大阪中央公会堂という、概観も居心地もとても素敵で落ち着く会場での授賞式は、それはもう和やかで微笑ましいものでした。

オペラの晴雅彦氏はモーツアルトの『魔笛』鳥刺しになりきって客席後方から躍り出て歌うわ踊るわ大サーヴィス。

落語の桂吉弥氏は『落語的うどんの食べ方講座』で大阪市長に
「ずるずるるるるるる・・・・」
と指南。

堅苦しい式は苦手ないかにも大阪らしい演出に参列者も楽しそうです。

 

さて、本題はここから。
なぜ筆者が受賞者に縁もゆかりもないのに、のこのこ式典に参列したかというと、式典第二部【青少年のためのコンサート】が目当てなのでありました。
大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏が楽しめるのです。
しかも、共演は昨年度の受賞者。
ヴァイオリン:中島慎子
筝と三味線と唄:菊央雄司
のこぎり:サキタハヂメ(以上敬称略)


のこぎり。
ふふふふふのこぎりが大フィルと共演!
コレを見ず聞かずして何がのこぎり奏者ですか。


吉田行地氏のかろやかな指揮で一曲目は大フィル『ウイリアムテル』序曲より“スイス軍の行進”
おもわずうきうきした気持ちになります。

二曲目でヴァイオリン中島氏登場。
サラサーテのカルメン幻想曲を情熱的に奏でます。

そして待ってました三曲目!
サキタ氏がのこぎりを持って登場すると、客席からくすくすと笑いがもれ聞こえてきます。
なにしろ大阪でのこぎりといえば
【おーまーえーはーあーほーかー】
ですからね。
そしてまたサキタ氏のいでたちがまた、その、なんと申しましょうか。
大フィルと式典に敬意を表して燕尾服すがたなんですが、普段着慣れていないせいかどうみても七五三(笑)
ああ、千歳飴持たせたい~~~~~

しかししかし!
演奏を聴いておどろけ見て呻れ。
オリジナル曲『光のさす方へ』の美しいしらべを。
ハープの音もうららかに、オーケストラヴァージョンの壮大さにも負けず、のこぎりの旋律は観客の心をうちましたとも。
私もこの楽曲は思わず勝手に歌詞付けて歌うほど大好きなので感動もひとしおです。
鳥肌たったよ。
満員御礼な客席の4分の三は、のこぎりの音がこんなに美しいなんて初めて知ったに違いないでしょう(残りはのこぎり関係者・私も含めて/笑)
隣席の年配のご婦人二人連れなんて
「あらー」
「まー」
と目をまんまるにしてやたらと感心して、曲が終わったあと褒めちぎっていました。
のこぎりファンご新規さま二名でーす(なんじゃそら)

四曲目は打って変わって菊央氏が一人。
三味線と唄でオリジナル『黒髪』。
幻想的な空間を味わいました。

五曲目でここに中島氏再び登場。
菊央氏は琴に楽器をかえておくるは『春の海』。
お正月のBGMでおなじみですね。
しかし尺八ではなくヴァイオリンであのメロデイを耳にすることの、なんとオツで楽しいことなのでしょう。
こういう異種格闘技は大歓迎です。

そして極めつけの変則対決六曲目。
バッハ作『二つのヴァイオリンのための協奏曲』よりBWV.1043第二楽章。
ヴァイオリンVSのこぎり二重奏!!
大フィルも加わっての夢の大共演です。
ここで大変興味深かったのが、中島氏とサキタ氏の奏でる音色の性質。
確かにまったく違う楽器ではあります。しかし。
ヴァイオリンの中島氏はなんともブリリアントでダイナミックでアグレッシヴな持ち味で、対するサキタ氏はノホホーンとマッタリとたおやかな空気。
目を閉じて音だけ聞けば男女が間逆に感じられてとても面白かったです。

ハーモニーにうっとりしていると、悲しいかなプログラムはもう最終へ。
ビゼーのカルメン第一組曲。
一段と冷え込みを見せた外気を吹き飛ばすような演奏に身も心もホコホコほかほかになって演奏会は終演しました。

 


演奏がおわってからも頬が緩んで仕方の無い、耳に美味しい一日でした

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主筆者紹介
HN:
いちもんぢ らく乃
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性別:
女性
職業:
危険物楽器扱業
自己紹介:
見たまま怪しい奴
ではありますが
無害です



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