忍者ブログ
のこぎり莫迦につき危険なり取り扱い注意
[37] [36] [35] [34] [33] [32] [31] [30] [29] [28] [27]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2004吹田メイシアターフェス ログ

「らく乃さんです」

司会に呼び出されて舞台袖から登場した人物を目にした客席にびみょ~~~な空気が漂った。


「・・・・・?」
「あれ?」
「ねえ、あれもしかしてさ」
「ヨン・・・?」
「ヨンさま?」

客席がざわついた理由とは。

バリバリにキメタ金髪。
うさんくさい色眼鏡。
これから楽器演奏するというのにコートとマフラー着用。
しかもマフラーの色は青く、巻き方にも特徴が。

で、さっきから気になるのだが、笊を小脇にかかえて後をついてくる黒子(笑)二名は何?
まさか。

舞台上に現れた不審人物は、一言も話さず、ふらーりとマイクスタンドをセットした椅子の前を通り過ぎ・・・・て戻って座った。
物憂げな動作でノコをかまえる。
黒子も左右に分かれて待機。

ふ、と気づいたかのように後をふりかえるヨンモドキ。
そこにはグランドピアノが置いてあるのだが、いつの間にかそこには純白の妖精(笑うなよ)が腰掛けて微笑んでいた。

目と目で合図。


♪ちゃらららーん ちゃらららーら
ぱらららーん ぱらららーら

わはははははははははははははははは。

おそらく日本でその年(2004年度)一番世間で話題になった『例のあのドラマ』のテーマ曲が流れ始めたとたん会場内に爆笑の渦が巻き起こった。

イントロに合わせて黒子が盛大に雪をまき散らかすので、見ていて笑いが止まらない。

ぶわっつさ
ぶわっつさ
ばささささささ

頭上からの大量の紙ふぶきに微笑み(うわーっつ)をうかべて
偽ぺはおもむろにメロディーをかなで始めた。

「ほお?」

扮装のアホラシサとは違い、演奏は(比較的)まともである。
時にやさしく。
時に激しく。
小さな体全体を使ってのダイナミックな表現。
(注:今改めて当時の音源を聞き返すとあまりの下手糞さに血の気が引きます。
よくアレで舞台上げてくれたもんだ・・・・客席から座布団投げつけられず拍手を頂いたのは
奇跡としか思えない。心の広いお客様とスタッフに改めて感謝の土下座ですよ)

ワンコーラス目を弾き切った時、演奏者には会場から暖かい拍手が送られていた。

間奏の時にも雪は奏者に降り積もる。
ノコの上に。
眼鏡と顔の間に。

つらくない?
いいえ。
ヨンサマになりきっているから平気(爆)

エンディングは音におもいきりポルタメントをかけて、
貧乏ゆすりビブラートも最大パワーに、これでもかと情に訴える演奏は、
もはや演歌の世界。

怒涛の三分間を弾き終えて。

 


「らく乃さんで『冬のソナタ~最初から今まで~でしたー!」

司会のサキタ氏は去り際のらく乃の後頭部に隠し持っていた紙ふぶきを投げつけて
スターになりきったアホ奏者をとっとと舞台から追い出したのでした。

 

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
主筆者紹介
HN:
いちもんぢ らく乃
HP:
性別:
女性
職業:
危険物楽器扱業
自己紹介:
見たまま怪しい奴
ではありますが
無害です



最新記事
じぐざぐ郵便箱