忍者ブログ
のこぎり莫迦につき危険なり取り扱い注意
[9] [8] [7] [6] [5] [4] [3] [2]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

前回ラスト、疾走しているつもりが誤変換で失踪になってるアホ探偵。
文字通りこのまま消えていりゃあいいものを、自分が雨女呼ばわりされたくないばかりに更なる容疑者をもとめて妄想街道ひた走る・・・・・。

 

 

走りつかれた女がたどり着いた先は大阪某所。
秘密のアジトである。

「こ、ここまでは誰も追ってこれまいて。ふふふふ。」

秘密の鉄の階段を上り秘密の入り口をくぐり秘密のシャッターを上げた。
すると!
嗚呼なんということ!
そこには探偵の想像を絶する恐ろしい光景が!!!
・・・・ではなくて。


「あれー?もう来たん?えらい早いなあ。」

「あーらく乃ちゃんやー、こんばんはー。」

「まだみんなご飯たべてるで。」

顔なじみのオケメンバーが数名のほほーんと食事をとっていた。

「あ・・・れ?今日練習日やったっけ?なんで皆ここにいるの。」

「なんでって今日は【楽曲K】の自主練習する言うてたやん。」

「自主練・・・?しまったそんな話もあったっけ。」

秘密のアジトとは大上段に構えたものである。
なんのことはないのこオケが練習場所に使っている多目的ルーム。
ライヴが近づくといつもの練習に加えて有志による強化自主練習も行うことがある。
楽器は不真面目でも奏者は真面目なのだ。

「そういうらく乃ちゃんこそ何しにここ来たんよ。」

「そ、それはもちろん自主練参加に決まってるやん、はは、はは、はははは・・・・。」

チクショウ誰もおらんと思ったのにとブツブツいいながら、常に背に装備しているのこケースから鋸とマレットを取り出した。
って、いつも持ち歩いているんかい!

「たまたま偶然やってことにしてんか。こうしないと話が続かないでしょーが。いくらアタシでも用なく毎日のこぎり持ち歩いたりせえへんわ。」

確かに職務質問されたらイッカンノオワリですな。


三々五々と集まってきたオケメンバー。
本日の練習曲は【楽曲K】
伴奏に他の楽器は用いない、純粋にのこぎりだけのハーモニーを聞かせるオケレパートリーのなかでも人気ナンバーだ。
哀愁ただようロシア民謡のシンプルなメロデイがどんどん転調してグルーヴが加速していく様がなんとも可笑しく且つ郷愁をさそうので何回聞いても飽きない。

しかし。
聞くのと演奏するのとでは大違いでこの曲、メンバーの息を合わせるのが物凄く難しいのである。
集中力を高め、楽曲に適度な緊張感を加え、そしてなんかようわからんけどカッコエ~~感じにするにはどんな練習を?


「ほんならちょっと電気消してみよか~。」

「カーテンも閉じてな。」

「円陣組も。」

「イスじゃなくて床に座ったら?」

「ろうそくの灯りでやってみよーな。」

「お、いい感じ~~。」

「なあなあ、入場行進の練習もせえへん?」

「いいね~。どうしようか?まっすぐ舞台に上るのもつまらないし。」

「ずらーって一列にならんで円陣組むまでぐるぐる回る・・・・。」

「あ、そんで座るまえに皆で鋸をガシーンってクロスさせたら?」

「刃を上に掲げるねんな?剣みたいに。」

「かーっこいい!やろうそれ!」

薄暗がりで大降りの刃物をもって右往左往する集団って君たち、何しているんですか、何召還するつもりですか。とても楽器練習するようにはみえない・・・・ん?
何何何?「にょーーーーーー」って気持ち悪い電子音が暗闇から聞こえてくるんですけど・・・・怖ええよマジ怖いよ君たち(汗)

「チューナーで音確かめているだけやん、大げさな。」

「最初のキーはEからやからね。」

「テンポUPは僕のギロ良く聞いといてな。」

♪ぼーん ぼーん ぼーん ぼーん・・・
♪んカ んカ んカ んカ・・・・

 


ようやく【楽曲K】の独特なイントロが鳴りはじめた。
これから起こる恐ろしい惨劇のプロローグであると気がついたものはこのときはまだ誰もいない。

 


犯人探しもうやむやなうちにオケ自主練習に巻き込まれた探偵。
この物語はこの先どう展開してゆくのか?
筆者はどこまで大風呂敷を広げる気だ?たたむ気あるのか?
以下次号を待て!

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
主筆者紹介
HN:
いちもんぢ らく乃
HP:
性別:
女性
職業:
危険物楽器扱業
自己紹介:
見たまま怪しい奴
ではありますが
無害です



最新記事
じぐざぐ郵便箱