2004吹田メイシアターフェス ログ
「みなさんお待たせいたしました、横山ホットブラザーズです。」
やはり地元は違う。
観客席は大歓迎で彼らを迎えた。
♪わわ~(あ、よいしょ)
わわ~(あ、こりゃ)
とかく この世は ほがらかに~
笑う角には 福が来る~
歌うかどには (アコリャ ヤッコラマサ ドッコイササ
ヤッコラ コリャ・・・)
「やかましい!」
♪歌って 笑って ホットブラザーズ~
オープニングテーマだけで場内大爆笑。
これ、これ。
これなんである。
マンネリなんて言わせない。
我らがホットブラザーズの芸なのだ。
「えー、日本のこぎり音楽協会関西支部発足10周年オメデトウゴザイマス」
「なんか おくれ~」
『ギターは弾くもんやない、叩くもんや』とうそぶくブラザーズ長男アキラ師匠を真ん中に、舞台向かって左、アコーデオンの次男マコト師匠、右がわギター三男実生活では五男)セツオ師匠。
結成50周年以上の大ベテランのトボケタ掛け合い漫才がつづく。
三人ならんでいるけど、マイクは二本。
「コイツ(セツオ師匠)なんもしゃべらんからマイクいらん」
というお約束ギャグも律儀にふまえて。
「いつものアレ、やろか~」
お父さんのトウロク師匠から譲り受けたという60年もの(!)の鋸を取り出して椅子に腰掛けるアキラ師匠。
「はい、みなさんご一緒に」
♪おーまーえーはーあーほーかー
(と、いう大阪弁のイントネーションを音で表現する師匠)
これ以上無い脱力したノコを叩く音。
そして必要以上に「ぷるぷるぷるぷる・・・」と動くアキラ師匠のオモロイ顔。
関西の老若男女誰もが知っている、誰もが大好きなギャグである。
おーまーへーはーあーほーかー♪
もちろん場内大合唱。
こんな機会のがしてたまるものか、一緒に言わねば末代までの恥である。
(大げさな)
このギャグは無形文化財として後の世に伝えなくてはならないと筆者は思う。
「荒城の月」という定番曲に加え「川の流れのように」もギャグを織り交ぜて熱演。
いつもはこれだけのところ今日は大サービス。
「のこぎりのコドモ持って来たデ」
チビのこぎりで
♪おまえはあほか
「こどもののこぎりでこどものうた」
こんここ こんの すっこんこん!
と可愛い音で「ちいちい ぱっぱ」
「まだあるで、おとーさんのこぎりや~」
巨大なノコをひっぱりだしてきて。
♪ぼよおおおおおおん
低い音でやはりオマエハアホカ。
「これでなにやろか」
「『ハイ それまでヨ』なんてどないや」
「まかせとけ」
♪あなた だけが~
ぼぼぼぼーん
♪生きがい なの~
ぼぼぼぼーん
♪おねがい~
ぼぼぼぼーん
♪おねがい~
ごごごごーん
♪すてーなーいーでー ってなこといわれてその気になって・・・・
(このあと曲は急テンポに)
ぼご ぼげ ごが ぼが
ごんごご ごげ ぼご
「うーわ!」
いきなりのこぎりを投げ捨てるアキラ師匠。
「こんな速い曲やってられんわい!」
♪うたーって わらーって ホットブラーザーズー
じゃ じゃ じゃーん
「ありがとうございました」
サキタ氏がマイクを手に三師匠と言葉をかわす。
「せっかくなんで我々オーケストラと一緒に一曲お願いできませんか?」
「ええな」
「『六甲おろし』なんかどないや?」
舞台袖で笑いをかみ殺していたノコオケメンバーに緊張がはしる。
「一グループ入って」
指示が出る。
椅子とノコ一式を携え、先発メンバーが師匠たちの後ろに並んだ。
全員白いトップに黒いボトム。
男性は蝶ネクタイもつけてフォーマルスタイル。
いよいよ関西のこぎりオーケストラの活躍がはじまったのである。
♪じゃんじゃーかじゃーん
マコト師匠のアコーデオンがおなじみのあの曲のイントロをかなで始める。
開場はノリノリの手拍子。
♪ぽよよーん ぽんぽん ぽーん ぽよ-ん
アキラ師匠がいつものノコで気の抜けた音色で
(でも顔は真剣!)
メロデイを叩くと、のこオケは
♪ひゅーるるん
と、合いの手をいれる
「はーん しーん タイガース!」
「フレー フレフレ フレー!」
一度も合同練習したことがなかったのだが、なんとか最後まで演奏できた。
やれやれ。
「では〆に。さんはい!」
師匠とオケ一緒に
♪おーまーえーはーあーほーかー
喝采を浴びて三師匠たちは舞台袖へと帰っていった。